Works
感謝
チェンドム・アンドレア
(2009 年 11 月、第17回日本語スピーチコンテスト、ハンガリー、大学・一般の部 上級、2位を受賞)
初めまして、チェンドム・アンドレアと申します。これから「感謝」についてお話ししたいと思いますので、皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。
日本語で読んだ最初の詩は、谷川俊太郎さんの詩でした。序論の代わりに、谷川さんの詩を引用させていただきます。
「これが私の優しさです
窓の外の若葉について考えていいですか
そのむこうの青空について考えても?
永遠と虚無について考えていいですか
あなたが死にかけているときに
あなたが死にかけているときに
あなたについて考えないでいいですか
あなたから遠く遠くはなれて
生きている恋人のことを考えても?
それがあなたを考えることにつながる
とそう信じてもいいですか
それほど強くなっていいですか
あなたのおかげで」
たぶん皆さんは人生をかけて、自分の居場所を探しているのではないでしょうか。でもこの旅は人によって異なります。彷徨ったり迷ったりすることも、現代ではよくあることだと思います。そのことについて、少し考えてみませんか。
最近、多くのハンガリー人は、そんなことについて考える必要がないと思っているようです。なぜでしょうか。
正直に言うと、私にもよく分かりません。私はまだまだ子供ですから、すべてを理解しているわけではありません。でも、強くそう感じています。
ハンガリーの文化はとても豊かだと思います。伝統や言語は、世界で最も美しい宝物の一つだと私は信じています。
それなのに、国民の気質は、昔と比べて変わってしまったように感じます。
我がまま、裏切り、羨望…こうしたものが日常にあふれています。
どうして純粋な子どもがいじめられるのでしょうか。
どうして大人になると、同じハンガリー人同士で差別し合うのでしょうか。
どうしてお互いを理解しようとしないのでしょうか。
なぜ、こうした疑問を誰も口にしないのでしょうか。
私には分からないことがたくさんあります。
でも、一つだけ、分かったことがあります。
それが「私の優しさ」です。
私は子供の頃、ハンガリーの悪い面ばかりを見て育ちました。そして、そんな自分を「悪い人間だ」と思っていました。期待されていないから、期待しない。そんな風に生きていたのかもしれません。
でもある日、日本文化と出会い、私は少しずつ変わり始めました。
日本の文化の素晴らしさは、言葉では言い表せません。
でも、言葉にできなくても、私はいつか、ハンガリーの人々に伝えたいと思っています。
私の考え方を変えてくれた、日本の人々の心からあふれる光を。
私のことを大切に育ててくれた両親に、心から感謝しています。そして、私には、かけがえのない二人の大切な人がいます。運命のような出会いに恵まれたことにも、感謝しています。
でも、その出会いを輝かせてくれたのは、日本でした。だから、私が一番感謝しているのは、日本です。
人は変わることができます。一生懸命努力すれば、性格さえも変えられると私は信じています。そして、国民一人一人が変われば、国も前へ進むことができるはずです。
そうしたら、いつかきっと、ハンガリーも輝くようになるでしょう。
ご清聴いただき、ありがとうございました。
チェンドム・アンドレア
(2009 年 11 月、第17回日本語スピーチコンテスト、ハンガリー、大学・一般の部 上級、2位を受賞)
初めまして、チェンドム・アンドレアと申します。これから「感謝」についてお話ししたいと思いますので、皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。
日本語で読んだ最初の詩は、谷川俊太郎さんの詩でした。序論の代わりに、谷川さんの詩を引用させていただきます。
「これが私の優しさです
窓の外の若葉について考えていいですか
そのむこうの青空について考えても?
永遠と虚無について考えていいですか
あなたが死にかけているときに
あなたが死にかけているときに
あなたについて考えないでいいですか
あなたから遠く遠くはなれて
生きている恋人のことを考えても?
それがあなたを考えることにつながる
とそう信じてもいいですか
それほど強くなっていいですか
あなたのおかげで」
たぶん皆さんは人生をかけて、自分の居場所を探しているのではないでしょうか。でもこの旅は人によって異なります。彷徨ったり迷ったりすることも、現代ではよくあることだと思います。そのことについて、少し考えてみませんか。
最近、多くのハンガリー人は、そんなことについて考える必要がないと思っているようです。なぜでしょうか。
正直に言うと、私にもよく分かりません。私はまだまだ子供ですから、すべてを理解しているわけではありません。でも、強くそう感じています。
ハンガリーの文化はとても豊かだと思います。伝統や言語は、世界で最も美しい宝物の一つだと私は信じています。
それなのに、国民の気質は、昔と比べて変わってしまったように感じます。
我がまま、裏切り、羨望…こうしたものが日常にあふれています。
どうして純粋な子どもがいじめられるのでしょうか。
どうして大人になると、同じハンガリー人同士で差別し合うのでしょうか。
どうしてお互いを理解しようとしないのでしょうか。
なぜ、こうした疑問を誰も口にしないのでしょうか。
私には分からないことがたくさんあります。
でも、一つだけ、分かったことがあります。
それが「私の優しさ」です。
私は子供の頃、ハンガリーの悪い面ばかりを見て育ちました。そして、そんな自分を「悪い人間だ」と思っていました。期待されていないから、期待しない。そんな風に生きていたのかもしれません。
でもある日、日本文化と出会い、私は少しずつ変わり始めました。
日本の文化の素晴らしさは、言葉では言い表せません。
でも、言葉にできなくても、私はいつか、ハンガリーの人々に伝えたいと思っています。
私の考え方を変えてくれた、日本の人々の心からあふれる光を。
私のことを大切に育ててくれた両親に、心から感謝しています。そして、私には、かけがえのない二人の大切な人がいます。運命のような出会いに恵まれたことにも、感謝しています。
でも、その出会いを輝かせてくれたのは、日本でした。だから、私が一番感謝しているのは、日本です。
人は変わることができます。一生懸命努力すれば、性格さえも変えられると私は信じています。そして、国民一人一人が変われば、国も前へ進むことができるはずです。
そうしたら、いつかきっと、ハンガリーも輝くようになるでしょう。
ご清聴いただき、ありがとうございました。

